ファイル N0 3

           釉薬の成分

 

 釉薬には長石(珪酸)、灰(石灰化合物)、珪石(石英)と塩基性物質が含まれています。塩基性物質としては酸化ナトリウム、酸化カリ、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化亜鉛などがあり、長石と高温で反応した時にガラス状のものが生成されます。

長石は摂氏1200度から1300度で溶解してガラス状となります。

釉薬の成分として長石と灰と珪石が重要な役割をします。
珪石分が多いと溶けにくく、長石や灰が多いと溶けやすくなります。流れやすい釉薬には珪石分を加えると融点が高くなり流れにくくなります。溶けにくい釉薬に(釉薬の溶解温度を下げるには)長石や灰を加えると溶けやすくなります。

陶芸は鉄に始まり鉄に終わると言いますが、透明釉に酸化鉄(弁柄)を加え、酸化鉄の分量により基本的には約1%で青磁(還元)、約3%で黄瀬戸(酸化)、約6%で飴、(酸化)約10%で黒天目(酸化)と変わります。
酸化コバルトを加える事によって、その分量により淡い青色、約3%でルリ色と変わります。
酸化銅を加えることによって、その分量によりトルコ青、約4〜5%で織部
(酸化)、辰砂(還元)、約7%で青織部(酸化)に変わります。

自分で釉薬を調合することにより、釉薬とはこういったものかと言う性質が理解できます。市販されている釉薬はよく研究されていますので利用するのも良いでしょうが、市販釉に頼っていては何時まで経っても釉薬がどういうものか理解できません。だから是非自分で釉薬を調合することをお薦めします。