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器の装飾模様を考える

 

器の装飾模様を考える時に、「機能主義デザイン」と「民藝」と言う対極にある2つの側面から考える必要があると思います。

機能主義は「シンプルなモノが一番美しい。何故、うつわに模様が必要か、シンプルならシンプルに徹した方がよい、うつわに模様など必要ない」と主張し、目新しさも手伝い、一時期、機能に徹したシンプルな器がもてはやされましたが、いつのまにか機能主義デザイン運動は衰退しました。

確かに機能主義デザインの理念はデザインを考える上で大切です。しかし模様が精神的な面で人間に与える役割、模様が器の「用を主張」すると言った、心に与える機能も重要だと思います。

いくらシンプルで美しくても、味気ない「器」は永年使っていると飽きがきます。
器のデザインとして形の機能性が一番大切ですが、模様があって悪いものではありません。

模様がうるさくなく「器の形」と調和している事が大切だと思います。