ハヴィガーストの発達理論

          ー幼少期から児童期の発達課題ー



 教育は人間として成長し、発達しつつある子どもに対して、他者が教育的な働きかけを行うことで子ども自身の人格の形成を促す営みである。

 子どもが生まれて最初に接する大人が親であり、親が子どもをどのように育てるか、親の養育態度によって子どもは変わっていく。
 内的資産という将来の人格形成のため、精神面を豊かにする等の無形の財産形成に家庭での親の養育態度、家庭環境が重要である。

 幼少期は泣く行為によって、生理的な欲求を伝え、家庭は信頼感、安心感の場であり安心の確保が必要である。
 幼児期は外の世界を知る、親子関係を知り、人間関係を学び、自分と異なる存在を認識する事が発達課題となる。幼児期の子どものコミュニケーションとしては言葉より視覚に訴えるのが相応しく、教育ツールとして絵本の存在が大切である。
 児童期は友達と仲良くする、識字能力の向上を通して社会的役割、社会の仕組み、良心の獲得などが発達課題となる。
保護者、親から友だち仲間へと人間関係が拡がっていく。学校を媒介としたコミュニケーションは子どもには重要である。

 子どもは遊んで学んでいく存在です。あそぶ行為が大切であるが、学童保育より学習塾と言った社会の歪んだ教育観、発達課題を無視した早期教育、また近年の家庭外で安心して子どもを遊ばせられない社会状況により、遊びの場所と時間がなくなって来ている。そのことにより、幼児期に学ぶべき集団活動が出来ない、コミュニケーション能力に欠けるなど、子どもの人間的成長が妨げられている。

 教育には発達段階に応じた学習が必要である。子どもの世界を大切にして、大人の価値観を押し付けない、それぞれの個人が学習の中心であること、「子ども自身が学ぶ行為」を教育の中心にしっかり位置づける事が大切である。







                                  2010年1月19日