解説
     L'explication



デ・ステイルと新造形主義
リートフェルト デザインの背景

 
 20世紀初め、ロシア革命、市民革命、産業革命を経て、市民社会が成立。
手作りから、機械生産による機能主義のデザインがもてはやされ、シンプルで美的なモノが要求されるようになって来る。
美術の世界では自然主義を否定、キュービズムなどの抽象美術が広く展開してくる。モンドリアンはキュービズムをさらに発展させ、具象的な描写の簡略化、抽象化を経て、矩形を使って水平線と垂直線のみ、色彩に関しても赤、黄、青の三原色とわずかの無彩色という、自然物の再現によらない非対象絵画を始めた。
 彼らは絵画、彫刻、デザイン、建築というジャンルの壁を超え、新造形主義のグループ「デ・ステイル」を結成、極めてラディカルな理論と、極限まで切り詰めた純粋な造形を展開した。1918年、リートフェルトは「レッド アンド ブルーチェア」によつって、この派の美術理念を実践した。
 この運動は1917年から1932年と短い期間で終わったが、同時代のバウハウスやル・コルビュジェから現代建築、ダダイズム、抽象美術運動に影響を与えた。