『ダ・ヴィンチ プロジェクト』/ 制作年 2004年 (ポーランド映画)


  レオナルドダ・ヴィンチの『白貂を抱く貴婦人』の所蔵で有名なポーランドのチヤルトリスキ美術館を舞台にクラクフの美しい風景と余情的な音楽をバックにドラマはスリリングに繰り広げられる。
美術品泥棒のツマはチヤルトリスキ美術館の所蔵する
,ダ・ヴィンチの名画「白貂を抱く貴婦人」を盗み出すように依頼される。日本に貸し出され戻ってくる,一瞬の時を狙い爆弾で道路を陥没させ護送車が地下道に転落したところで獲物を頂くといった大胆不敵な計画で作戦は見事に成功し,国宝級名画の盗難にポーランド社会は騒然とする。
 実は,ツマは「ポーランドの名宝」が悪徳商人に渡リ、外国に流出するのを恐れ贋作名人と言われるハーゲンに複製を依頼する。本物と複製をすり替え,かつ本物を地下道に残して置かざるを得なかったように思わせるトリックを行う。
ポーランド国内が盗難に騒然としている間に、贋作をパトロンや盗品コレクターに高額で売りつける、その後、本物は美術館に返却する。この映画では盗みのプロフェッショナル集団の存在
,一般的な博物館業務と美術品の真贋鑑定の手法, 贋作制作の手順 精巧な複製品として外国に持ち出す許可を得、複製品と偽り本物を外国へ持ち出す手法などが描き出され、補修・修復、実物と複製と言ったことについて考えさせられる。最後に贋作名人のハーゲンが「複製はしょせん複製だ。みんなをだます」と言ったのが印象深い。


監督 / ジュリアス、マチュルスキー
主演 / ロベルト、ウィキウイツチ ポリス、スジック

                                                 (2008.10.26)